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禁断の男ものワールド3 ~直付け羽織紐の結びかた~

2011年01月11日

        「 禁断の男ものワールド2 ~男の羽織紐 こわい~ 」の 続編です。

 
 直付け(じかづけ)羽織紐 について 前回 かきましたよね? そうです、S字環の金具に 引っかける 結び切りの 

 スタンダードタイプじゃなくて 羽織に 直接 結(ゆ)わえ付けている ちょっと凝り性のひと向けのハイブローな仕様・・・。

 いきなり ふわりっと 肩に掛けられ さあ 紐、結んでみよう ・・とけしかけられ 、

 あれっ? あらっ? おろろっっ? ・・・と トホーに暮れる あのタイプの 羽織紐です。
 
                  では  さっそく 直付け羽織紐 の結び方  いってみましょう。





   直付けは ちょっと 長め です。  みじかいと やっぱり やりにくいかも・・・・。

                             

   左片方だけ さきに 輪 をつくって




                                                                                                      「 しっぽ 」 を 輪のなかに 半分だけ  落としこみます。



 



    






  ここで はじめて 右片方の紐を手にとり 左の輪の外側を 大きく沿うように 重ね回して・・・


 



                                                                                                      半分だけ入れていた 左のしっぽの上に 大回りしてきた右のしっぽを重ねて 二本一緒に落とし込みます。




          

                      かたちを整えて でき上がり





  これは 別染めしてもらった お気に入りの羽織紐です。 いい色でしょ? 濃い目の赤紫、ぶどうジュースの色です。

  年末に この羽織紐のふさをトリートメントしてあげました。人間みたいに ほんとにリンスするわけじゃないですよ?

  沸騰したヤカンの湯気に ヤケドしないように さらして 粗めのクシで パッパッと 梳(と)かしてやるんです。

  そのまま 水気をとって たたんだティッシュに くるくる巻いて テープでかるく止めときました。

  お正月に さっとティッシュの帽子をとると ふんわり・・・   ふさにボリュームが甦って いい気分です。

  撚りふさじゃない 直毛の帯しめのふさも 同じやり方で復活しますよ。 

  でも これはちょっと シャンプーしたての洗いざらしのあたまみたいに爆発してますねぇ・・・まぁ よしとしましょうか・・・。

    




  

    

Posted by ふくひろ 若旦那 at 00:00Comments(2)禁断の男ものワールド

禁断の男ものワールド2~男の羽織紐こわい~

2010年12月01日

 「饅頭こわい」という落語がありますが 若輩呉服屋のボクにしてみれば「男の羽織紐こわい」。

 男の羽織紐を結ぶのが苦手な時期がありましたね~。だって けっこうムズカシイんですもん。

 とくに「直付け(じかづけ)」・・! 金具のS字環で引っ掛ける結び切りの羽織紐じゃなく
 
 羽織の乳(ち)に直(じか)に結びつけている少し長めの羽織紐。丸ぐけの紐なら、二本、

 引き揃えて くるっと輪をつくり その中に しっぽを落とし込むだけでいいんですが、

 問題は平組み。片方一本だけで輪をつくり、しっぽを半分だけ落としこんで もう片方を外から

 大回りに巻くように重ねて しっぽを合わせて落とし込みます。慣れればカンタンなんですが

 案外ムヅカしく 羽織をはおってトホーに暮れることシバシバです。そのかわり 脱ぐときは

 房(ふさ)を上にびゅーんと引っ張れば はらりとほどけて ちょっといなせです。

 落語家のひとが高座で 噺(はなし)の合い間に羽織を脱ぐときがありますよね?

 これは 「だるま(羽織)を引く」といって 噺の枕(まくら)が終わり本題に入るきっかけ

 だったり 裏方さんとの時間調整のサインだったりするそうなんですが このとき 落語家が

 ちくちく S字環をはずしていたら やっぱりサマにならないです。直付けの紐をはらりと

 ほどく姿が絵になります。

 だけど 若輩呉服屋にとって結び切りの環つき羽織紐がラクかといえばそうでもないです。

 あるとき お客さまの家にお伺いしたときに不意に頼まれました。

 「羽織紐、ほどけちゃったのよ 結んでくれない?」なんでせっかく結んでいる紐ほどいちゃうの~?

 と心のなかでぼやきながらも ハイハイ、どうでしたっけ?と紐をいじくってると           
 ハっと感じる熱い視線・・!カオをあげるとお客さまの目がらんらん・・・

 結び方をいま覚えてしまおうというんですね。キンチョーするのはボクです。             
 汗みどろ悪戦苦闘四苦八苦でした。





 これが通常の結び方です。もうひとつ 組紐の老舗 渡敬の重鎮 Kさんから伝授されたボクが

 勝手に「渡敬巻き」とよんでいる結び方を紹介します。どこがちがうかわかりますか?

 



 通常版は左右対称なんですが 渡敬巻きは不対称ですね、いびつです。ただ 正面の横一文字の

 「おび」?が通常版は裏を向いてますが 渡敬巻きはナナメになりながらも おもてを向いてます。

 表裏一体の紐なら問題ないですが 織りや色が表裏ちがう紐の場合 渡敬巻きの方がいいのでは?

 チョッと首をかしげたようなかたちもどこかカッチョいいです。

 結び方はけっこう ややこしいので 興味のあるかたはお店で個別にお教えします。(^^)







 
   

Posted by ふくひろ 若旦那 at 00:00Comments(0)禁断の男ものワールド

いよいよ 禁断の男ものワールドへ・・・

2010年11月04日

 いよいよ ふくひろのブログでも 男ものについて書かなくてはならなくなりました。

 覚悟を決めて 男ものに臨(のぞ)みたいと思います。なにをそんなにケーカイしているのかと

 いいますと ひとことでいって 男ものは ムズカシイのです。

 仕立て・着こなし・こもの・履物・鞄・コーディネート・・・男ものをたしなむ殿方は女性以上に

 こだわりのかたが多いのです。ぼくも仕事柄とはいえ個人的に和装がすきで着る機会も多いのですが、        
 それでもまだまだ勉強不足なので、達人のかたにいろいろ教わりたいところです。

 男ものは身近なんだけれども奥が深いってかんじですね。

 呉服屋としては やはり寸法に気を使います。ごぞんじのように女ものの身丈は おはしょりを

 とるため 身長と同寸もしくはプラスαでいいんですが、男ものの身丈は おはしょりのない

 対丈(ついたけ)、長すぎても短すぎてもダメなんですね。

 目安になる公式としては 身長×0.85 あるいは身長-26~27cm で対丈は割り出せますが

 男性の体型は千差万別、体格がいいとかきゃしゃだという以前に 肩や胸が肉厚だと

 そこで 身丈や裄(ゆき)がとられて 公式通り、実測通りにならないんです。

 だから うちでは 実測して さらに見本のきものを着てもらって微調整するように
 
 しています。非常に神経をつかうところです。

 最近 プレタ(仕立て上がり)の男もの浴衣で フリーサイズというのをみかけますが

 アレはホントにいただけないですね。日本の平均的体型の男子専用の浴衣なんでしょうか?

 身幅はゆずるとしても身丈がフリーサイズってありえないじゃないですか?

 雨がふろうが槍がふろうが 男ものは反物から仕立てるべきです!

 しかし呉服屋もえらそうなコトばかりいってられません。なにせ ちまたに出回っている

 男もの標準寸法というものが 四、五十年まえの昭和のころに想定されたものがそのまま

 使われてたりするんですから。いろんな体型のお客さまのデーターをどれだけそろえているかが

 良い仕立てのできる呉服店のバロメーターだと思いますね。

 ここで朗報! この夏に世界文化社から『体型別 男のきもの着付け入門』という本がでました。

 これはいままでにない画期的なきもの本ですね。男性の体型を肉質型・骨格型・身長高め・低め

 の四つのパターンに分類して同時進行並行して着付け・補正・帯結び・コーディネート・・と

 網羅した決定版です。これだけいろんな体型の男性モデルを使った本は空前絶後でしょう。

 呉服屋ならずともおススメです。

 『禁断の男ものワールド』はまだまだつづきそうです・・ヤレヤレ、タイヘン、タイヘン・・・。


 

  

 



 
 
  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 10:44Comments(4)禁断の男ものワールド