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付け下げと訪問着・・・どこがちがうの??

2010年11月11日

 あるお客さまに 突然 質問されました。「付け下げと訪問着 どこがちがうの?」

 毎日、こどものころから 店で何気なくみている付け下げと訪問着・・・

 不意打ちのカウンターパンチです。ええっと ドコがちがうんでしょうか?整理します。

 まず 形状・・・付け下げは丸巻き反物、訪問着は仮絵羽、つまり着物の形に仮に仕立ててますね。

 見た目にこれはすぐにわかります。一件落着・・?いや ちょっと待ってください。

 付け下げの着尺を仮絵羽にしているものもありますよ・・・?

 それに 仕立てあがってしまったら 果たして見分けがつくんでしょうか・・・?

 ここで あらたな乱入者 登場!『付け下げ訪問着』『付け下げ小紋』・・・ややこしいですねえ。

 やはり 柄付けで 分類するしかないみたいです。

 『付け下げ』とはそもそも 左胸に パラッ すそに パラッパラッ と柄を散らしたものでした。

 準礼装・色無地と同格か ちょっと格上ってとこですか、柄ゆきにもよりますけど・・・。

 それが だんだん グレードアップしてきて 上前のおくみの柄が合う、掛衿と胸の柄が合う・・

 といったふうに 訪問着に近づいてきました。これがいわゆる『付け下げ訪問着』です。

 いまは 訪問着風の礼装用の付け下げが大半なので 『付け下げ』と『付け下げ訪問着』は

 ほぼ 同義語と考えていいでしょう。

 では 本家本元・・訪問着 の登場です。訪問着をひとことでいうなら“豪華”ということです。

 訪問着は総柄で柄が合う。もしくは左胸と左袖・右うしろ肩と右うしろ袖の柄が合う。

 逆にいえば 付け下げは この二箇所の柄が 絶対に合いません。

 だから 訪問着か付け下げかを見分けるには 『右の肩』をみればいいんです。

 右うしろ肩から袖に わたって柄が合っているのが“完全なる訪問着”なんです。

 豪華主義という一点で 訪問着が やはり格が上ということになりますが 

 付け下げも少し 弁護したいですね。付け下げのよいところは 柄が少ないぶんだけ 訪問着より

 リーズナブルだというところです。真糊の本友禅や作家ものなど 訪問着だと高価なものでも

 別に右肩に 柄がなくてもいいや、ということなら 付け下げのほうが ずっと お求めやすい

 はずです。染めの重い付け下げは ありふれた訪問着をかるく圧倒しますから・・・。

 あっ・・『付け下げ小紋』の正体、まだ ナゾのままでしたね。それはまた次回・・・。

  

 

    

Posted by ふくひろ 若旦那 at 18:53Comments(0)呉服なぞとふしぎ