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さようなら江戸小紋 遺された最後の伊勢型紙◆追善の会 名宝録

2013年04月14日

 父は生前、当時でも珍しかった(現在もですが・・・)「江戸の染め」を果敢に紹介

 してきました。加賀や京友禅とはちがう煌めき、独自のオーラが溢れています。


  




 爛熟絢爛たる色彩の江戸友禅に対し 渋くて粋でいなせなのが江戸小紋・・・

 相反する二極化した嗜好(テイスト)が江戸もののいわく言いがたい魅力です。

 




 江戸小紋には鮫小紋や行儀格子、源氏香や宝亀など道具彫りも多彩ですが

 江戸小紋の花形(スター)は何といっても引き彫りの型紙を使う『縞』なのです。

 




 なぜ縞ものが別格なのか?縞は伊勢型紙の作り方がはなっから違うのです。

 突き彫り道具彫りの型紙は「紗貼り」といって紗をかけて固定するのですが、

 縞ものは「糸入れ」といって生糸を型紙の間に挟み込み柿渋で固めて、素早く

 息を吹きかけて柿渋を飛ばすという超人的職人わざが必要不可欠なのです。

 




             『 伊勢型紙 糸入れ 人間国宝 故 城ノ口みゑ 』

 糸入れの唯一無二の伝承者だった人間国宝 城ノ口みゑ。実は以前ふくひろで

 糸入れ実演に本人をお招きしたそうです。初めて聞いたときは僕も驚きました。

 そういえば祖母が「ぶお~っと息かけて柿渋飛ばしたとよ。」と身振り手振りで

 よく話してくれましたっけ・・・。祖父母も父も真摯に最高峰を追求してきたのかと

 思うと ただただ有難く 尊敬と敬意をもって 衿を正したい気持ちになります。

 2003年に城ノ口みゑさんが亡くなられて江戸小紋縞物引き彫りの型紙製作は

 事実上不可能になりました。残存する型紙のみが最後の砦となったのです・・・。

 




                『 伊勢型紙 引き彫り 人間国宝 故 児玉博 』

 昭和30年に人間国宝に認定された児玉博さんは引き彫りの第一人者でした。

 「茶断ち」つまり飲食を排し一心不乱一気呵成に緻密な縞を彫り上げるのです。

 




 型紙は消耗品です。破れてしまうと その柄は二度と染めることはできません。

 糸入れの技術が途絶えた現在 真の江戸小紋縞染めは遺された貴重な型紙で

 かろうじて命運を保っています。その姿はやがて失われていくことでしょう・・・。

 




 児玉博・城ノ口みゑ 二人の人間国宝が遺した貴重な型紙で染めた江戸小紋、

 追善の会で出品されます。縞もの、江戸小紋の最高峰です。感涙の極みです。


                           ◆ 追善の会 ◆

               とき            4月20日(土)
                                21日(日)
                                22日(月)最終日はpm5時まで
               ところ     北九州市小倉北区三郎丸3丁目10の36
                              法泉寺本堂 (観山荘別館となり)

   

Posted by ふくひろ 若旦那 at 11:40Comments(0)追善の会