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【男の長襦袢考】殿方の襦袢の身幅 ちょっと狭くない?

2017年08月03日

そもそも男襦袢の身幅を規定通り仕立てると身幅がちょっと狭いのではないかと以前から思っていました。理想的なジャニーズ体型の殿方でも襟と見頃の打ち合わせがやや浅いような気がしていたのです。ましてや少し体格の良い殿方は襟の打ち合わせに四苦八苦すると思います。下図は通し衿の男の長襦袢の形状です。

男の長襦袢は通し衿です。着物の衽(おくみ)に相当する竪襟がありません。長襦袢は室町時代から江戸時代にかけて登場しました。男女ともこの通し衿の長襦袢が原形であり後世になって女性の長襦袢にだけ竪襟と褄下を付けるようになりました。ですから男長襦袢は襦袢の原始的な形態を現代に残しているといえます。

男もの通し衿長襦袢を仕立てるとき長着の前幅に一寸(3.8㎝)を足しますがそれでも体格の良い殿方は身頃はもちろん襟の打ち合わせが少々苦しいかと思います。
ふくひろでは男性でも女性長襦袢(上図)のように竪襟と竪襟下をつけた仕立てをおすすめしています。竪襟を付けることによって身頃もゆっくりしますし何より襟の打ち合わせの角度が深くなると思うのです。やはり男性は襟の着崩れが一番気になるところですから…

写真上は従来の通し衿の男襦袢、写真下は女性襦袢のように竪襟と竪襟下を付けた男襦袢です。男性用の襦袢ですから もちろん身八ツ口などは開けていません。
時代に合わせて日本人の体型も変化します。和裁もその変化に対して少しでも対応したいと思っています。

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 17:19Comments(0)呉服なぞとふしぎ