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真・琉球藍型(えーがた) 十数年ぶりに邂逅す!~ 伝統織物たちとの出会い PART2 ~

2018年02月09日

真・琉球藍型(えーがた) 十数年ぶりに邂逅す!



氷雨降る二月の京都キモノ紀行 ありがたき僥倖
越後上布に囲まれる 珍しき琉球染織とめぐりあう



山下芙美子さんの本場黄八丈をお召しの女性に会いました。斬新な裁ち合わせのお仕立てが素敵です。



山下芙美子先生に別注したら今まで見たことがない素晴らしい作品が織り上がってきたのだそうです。



壮観!全国伝統染織が見事一堂に集結しています。数年前から社長が趣味的にそして意欲的に蒐集してきた稀少織物シリーズが数を揃えついに実を結び花開こうとしています。まさに伝統染織 夢の宴です。



石垣島の秘宝 川平(かびら)織。深石美穂さんの作品は石垣の自然の如く鮮やかな色彩に満ちています。



八重山上布も今や絶滅危惧織物。失ってはならない日本の宝です。着尺は殊に数少なくなっています。



作品展の片隅を眺めていて 思わず あっと声を上げました!黒き琉球藍 … 藍型(えーがた) …
まさか 十数年ぶりにこの京都で出会えるなんて …



青い染料を使った琉球紅型をすべて藍型と表記している場合があります。これは青い顔料を手で刷り込み染めしたれっきとした琉球紅型ではありますが、厳密にいえば真の藍型(えーがた)ではありません。いわゆる染地型(しるじがた)とよばれるものです。



真の琉球藍型とは琉球藍の藍甕に浸染を繰り返しながら琉球藍の濃淡でその作品世界を創り出すものです。天然琉球藍染めは藍甕に漬けて引き上げて空気に触れて初めて発色する琉球ブルーなのですから。



過去に遡るとふくひろにも二反だけ「真・琉球藍型」がありました。父が沖縄へ赴き琉球展を催したときです。かれこれ十数年以上前だと思います。
そのとき以来 染地型の青い紅型は見かけましたが不思議なことに琉球藍に浸染を繰り返す真の琉球藍型はまず出会ったことがありませんでした。
琉球藍を生成する制作工程プロセスがやはりかなりの手間であり型紙からして別の創作サイクルが必要とされるからではないでしょうか。
紅型を顔料で「手染め」するという作業と藍型を何度も藍甕に「漬けて染める」という作業はまったく異なるベクトルの染織工芸のように僕は感じます。



琉球藍 甕覗(かめのぞ)きの青は見ていると吸い込まれてしまいそうな深く深淵なブラックブルーです。
琉球藍は喜如嘉芭蕉布の絣糸を構成する琉球の魂であり、神奈川県横須賀市にて琉球泥藍天然発酵建てを実現している原始布作家 西川はるえ さんの作品世界を形成する重要なモチーフなのです。
琉球藍の濃淡だけで染められた藍型はその延長線上にあり琉球の魂の源流であるといえるでしょう。



十数年ぶりに 「真・琉球藍型(えーがた)」 が
ふくひろ綺物屋敷へやって来ます。
京都如月 ありがたき 綺物の恵み に感謝致します。

#紅型 #琉球藍 #藍型 #琉球染織 #喜如嘉芭蕉布 #城間栄順 #西川はるえ




  

前代未聞!越後上布 新作展 ~ 伝統織物たちとの出会い PART1 ~

2018年02月05日

新潟県魚沼市から来られた織師 高波明美 さんが手織りする越後上布。いまや稀少織物である越後上布が地機で織り上げられてゆく様子を実際に目の当たりにするのは僕自身初めての体験かもしれません。



氷雨降る二月の京都。重要無形文化財 越後上布
だけを蒐集(あつ)めた新作発表展が催されました。
八寸名古屋帯 九寸名古屋帯 角帯 そして着尺…
これは賞賛に値する本当に大変な偉業なのです。



越後上布の原料である苧麻(からむし)は福島県昭和村で栽培されています。天然麻繊維の最高峰です。



夏場に2mに成長したからむしは刈り取られ水漬け皮剝され「苧引(おひ)き」されて繊維となります。



苧引きによって薄く引き出された繊維は青白く光るので「青苧(あおそ)」と呼ばれます。出来映えの良い青苧を昭和村では『"きら”がよい』といいます。



青苧は客間の座敷に丁寧に干されます。青苧はそれほど昔から大事に扱われてきたのです。これは会場にわざわざお持ちくださった青苧干しの一房です。



麻繊維を繋げて一本の糸にすることを麻を「績(う)む」といいます。口にくわえ湿らせながら爪で繊維に裂け目を入れ通して撚(よ)りをかけ少しづつ繋いでゆきます。雪国の気の遠くなるような作業です。



糸作り。苧績みした糸を綺麗に均一にならします。越後上布は機にかけるまでが本当に大変なのです。



重要無形文化財である越後上布の絣は全て手括(くく)りによるものです。絣の墨付けは新潟独特の技法である木羽定規(こばじょうぎ)が用いられます。



越後上布の特徴といえばこの日本古来の原始機である地機(いざり機)を使って織っていることでしょう。現在 地機を仕様している伝統織物は本場結城紬と北海道アッシ織等一部の原始布だけなのです。



地機の杼(ひ)は刀杼(とうじょ)といってブーメランのように大きなものです。杼は緯糸(よこいと)を繰り出すものです。織機は筬(おさ)でトントンと織り目を打ち込みますが長い刀杼でもさらにもういちど打ち込みます。「地機の二度打ち」といわれるもので打ち込みのしっかりした織物が織り上がります。



地機は反端を織り師の腰当てに結わえ腰で経(たて)糸の緩みを調整しながら織ってゆきます。原始的な機ですが切れやすい麻糸を織るには最も合理的な織り方です。まさに「人機一体」の織物なのです。



越後上布の新作が着尺から帯までこれだけ一堂に揃うことは前代未聞です!主催者に敬意を表します。



越後上布の男角帯 これもまた世に出ない珍しき綺物。盛夏はもちろん万節でも良さげに思いました。



越後上布 八寸名古屋帯 『黒地 緑白縞』

今回の出品作の中で最も先鋭的で斬新シャープな逸品を選ばせてもらいました。こんな越後上布は見たことがありません。ふくひろ綺物 coming soon!



越後上布の機織りは乾燥が一番の大敵です。雪深い機織り部屋では暖房も点けず手織りに精を出すそうです。窓の外でしんしんと降り積もる雪が糸にちょうど良い湿気をもたらすのだそうです。京都会場での越後上布の実演も織り目を丁寧に濡らしながら織ってゆく高波明美さんの姿がとても印象的でした。



氷雨降る二月の京都で出会った大切な伝統織物たち
次回続篇 PART2 へと続きます(´-`).。oO










  

冬の京都で小倉織と出逢う ~ 築城則子『縞展』~

2017年12月01日

築城則子先生の新作展『縞展』が十二月の京都で開かれました。京都の地で築城先生とお会いできるとは…なんとも不思議でなんともありがたい気持ちです。



十二月の京都 まだ暖かく紅葉も紅く萌えていました。
今まで十二月に京都へ仕入れに行ったことはなかったのですが数年ぶりに築城則子先生の新作展が催されるとお聴きし ぜひともお伺いしたいと心に決めました。



万難を排して前日から京都入りしました。果たして想いの小倉縞を連れて帰ることができるのか… まるで子供のように逸(はや)る気持ちを抑えるのに懸命です。



一夜明け 築城則子『縞展』ついに初日を迎えました。



個展の巻頭を飾る最新作 小倉縞帯「 藍層 」
光が反射するように何層にも織り分けられたグラデーションの美しさに息を呑みました。素晴らしき逸品。



現在極めて入手困難な築城作品。数年ぶりに開かれた本格的個展です。小倉織に囲まれてまさに絶景なり。



小倉縞帯、盛夏から単衣にかけての練貫着尺、小倉縞男角帯、小倉縞袴 … これほどの築城作品が一堂に揃うなんて空前絶後 初めてのことではないでしょうか。



在廊されていた築城先生とお写真を撮らせていただきました。本当に感激の極みです。小倉織を扱える小倉の呉服店として頑張っていきたいと心に誓いました。

#築城則子 #小倉織 #小倉縞 #ふくひろ

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 19:23Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 小倉織

博多織求評会 2017 ~ 秋うららか博多織日和 ~

2017年11月12日

秋うららか 今年も博多織求評会へやって来ました。

秋晴れに恵まれた臨済宗 承天寺


毎年 素晴らしい新作が発表される博多織求評会

現代の創り手が産み出してゆく新しい博多織の数々

その「創る」エネルギーには感動すら覚えます。

本当に素晴らしいことだと心から感服しています。

野点の茶席でお茶を頂きました。

鳥の囀りが聴こえる静かな承天寺の庭園です。



「 塵外(じんがい) 」浮世の塵(ちり)をおとして浄化されたお茶席。そのおもてなしにしばし癒されました。

献上を織り出した着物を召した女性に出逢いました。

清楚な中にも博多織の誇りと生命が吹き込まれているような気がしました。大変珍しい逸品ですがふくひろでも献上織着尺を取り扱ってみたいと思っています。


若手作家の作品展もたくさんの着物好きの着物女子で賑わっていました。とても斬新な色柄に心踊ります。



織屋にしむら 新作展。来春に向けて ふくひろも今までにない博多織の逸品を取り揃えてゆく所存です。

承天寺博多千年門に博多献上が彫り込まれています。
献上柄の独鈷華皿(どっこはなざら)は身につける者を守ってくれる有り難い仏具仏宝を表しているのです。

秋の博多織求評会 来年もぜひ伺いたいと思います。




  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 19:47Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

藍の花咲く久留米絣 ~ 坂田織物を訪ねる ~

2017年09月19日

ぎったん ばったん 機(はた)の音が工場に響きます。
久留米絣の機の音は元気を与えてくれる音色です。

久留米絣を訪ねて 久留米の町の昼下がり。

八女は懐かしい昭和の香りを残す町です。

久留米絣の織元 坂田織物さんへお伺いしました。

機械織というとオートメーションを想像しがちですが久留米絣の機織工場は古めかしくも味わいのあるジブリアニメの原始的なメカのようです。何度も機をとめては糸を丁寧に采配します。作家もの一点ものを織るよりもむしろ大変な労苦ではないかと僕は思います。

坂田織物の最新作 久留米絣着尺「飛鶴」
非常に斬新で冒険的な色と図案です。絣はなめらかな曲線こそ本当に難しいものなのです。

ぷくぷくと藍の花が咲いています。坂田織物は本藍染めもおこなっているのです。

八女の自然の中ですくすくと育てられ雄大に染め上げられた藍絣。見目健やかな日本の原風景。

最近は海外でも注目されている坂田織物の久留米絣。福岡の伝統織物 久留米絣の益々の発展を期待します。

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 10:50Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

信州の織姫 小岩井カリナさん 明るく颯爽とご来福‼ ~ 女性伝統工芸士展 ~

2017年06月15日

信州の織姫 小岩井カリナさん 明るく颯爽とご来福 ‼
とんとんからから 会場に信州紬の機の音が響きます。

木洩れ日ビル洩れ日 アクロス福岡の朝は快晴☀

6/14~6/ アクロス福岡にて 「女性伝統工芸士展」
が開催されます。全国の染織から陶器、人形、などを創る女性伝統工芸士が一堂に集結。開催を祝して織物テープカット、そのままリボン胸章になりました。

会場は大盛況!テレビカメラも来ているっε٩( º∀º )۶з

ずっと視察したいと思っていた山陰の絵絣 広瀬絣 。広瀬絣の永田佳子さんからゆっくりお話をおうかがいすることができました。僕自身ほとんどみかけたことがない幻の絣です。さもありなん 織っているのは伝承者 永田佳子さんなんと現在ただひとりだったのです。

広瀬絣の最も奇抜な工程はこの緯経台(よこへだい)。型紙で縦長く記され種糸で括られた絣がなぜか織るとぎゅぎゅっと凝縮されて縮まりジャストフィットな絣に収まる不思議。山陰には弓浜絣、倉吉絣がありますがこんな特異な絣つけは広瀬絣だけです。絵付けの型紙まで最初から細長いのですから驚きです。広瀬では女性はむかしからこの緯経台だけを家に持ち帰り絣括りの内職に毎晩いそしんだそうです。全国稀に見る細長い緯経台は内職分業のための進化だったのです。

岡山 烏城紬 にまさか今回出逢えるとは‼ 二十年前に見かけたきりの神品。伝承者は須本雅子さん現在ただひとり… 泰然としたその佇まいに心打たれました。

昭和二十年に須本雅子さんの母が考案したという糸紡ぎ機。昭和二十年から平成二十九年まで七十年以上の月日…まだ動いている… まだまだ動いている !

そして信州紬気鋭の伝統工芸作家 小岩井カリナさん。
フェイスブックで以前よりお友だちだったのですがついに念願叶ってお会いすることができました(∗ˊᵕ`∗)
カリナさんは想像通り気さくで笑顔が素敵な素晴らしい女性でした。機を織る姿は凛々しく華があります。

艶やかな格子(プラッド) 小岩井カリナの世界

明るく颯爽とキモノ界で活躍されているカリナさんと楽しくお話✴たくさんのパワーと活力を頂きました。
はじめまして。そしてありがとうございます✨☀

ひとつの道を究めるため一生懸命頑張っている女性はいくつになっても若々しく溌剌として美しいです✨

      「女性伝統工芸士展」
6/14(水)~6/19(月) アクロス福岡にて 【入場無料】
お近くを通られましたらぜひお立ち寄りください。

#女性伝統工芸士展 #小岩井カリナ #信州紬 #烏城紬 #広瀬絣


  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 17:28Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

White Lace No12 ~ 染色工房Foglia 仁平幸春の世界 ~

2017年05月22日

Foglia new line up 「White Lace No12 」

白レース加工は染色工房 Foglia にしかできない大変な時間と手間がかかる繊細で高度な染色技術です。

非常に精緻で細やかな糸目糊置きとローケツ堰出し…
さらに幾度となく繰り返される色挿しの後 地色を引き染めします。作業はまだ半分折り返し地点なのです。

水色ラインが糸目糊置き、ベージュのエリアがローケツ堰出し。金彩を施すことによりそこはかとない気品がキラキラと溢れてきます。蝋と蝋の間にわざと空けてある隙間に染料が流れ込むことによって染めのエッジが見事に際立ち 仕上がりに重厚感が加わります。

Foglia new line up 「花のある室内」

立体から面へ … 寡黙なるアートを纏う

仁平親方のセンスと技巧の極みに魂が震えました。

Foglia 仁平幸春 染色アートの素晴らしき世界
ふくひろ綺物に また新たなる一頁が加わりました。

#Foglia #仁平幸春 #甲斐凡子
  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 16:17Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

染色作家 甲斐凡子 さんがふくひろ綺物屋敷へやって来た

2017年04月25日

染色工房Foglia フォリア 染色作家 甲斐凡子さんがわざわざふくひろにお立ち寄りくださいました。

甲斐凡子さんと小倉織。

染めと織の競演。ふくひろ綺物屋敷の綺物たちを熱心に見入る凡子さん。

黄八丈、白鳥織、芭蕉布 … 平良敏子のアササ(蝉)経絣にとても感動しておられました。

染色工房 Foglia 仁平幸春 作品『李朝の陶器』
悠久の刻を感じさせる古代染布の創成です。

甲斐凡子さんと染織話に花が咲き楽しい時間を過ごさせてもらいました。 Foglia はこれからの新しい時代の新しい綺物を創り出してゆく気鋭の染色工房です。
Foglia とふくひろとの新たなるセッションを予感させる甲斐凡子さんの嬉しいご訪問でした。

#Foglia #仁平幸春 #甲斐凡子 #小倉織 #築城則子 #黄八丈 #黒八丈 #山下芙美子 #菊池洋守 #芭蕉布 #平良敏子 #ふくひろ #ふくひろ綺物 #ふくひろ遊び
  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 17:34Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

染色作家 仁平幸春 甲斐凡子 ~ 春の上野でキモノ対談 ~

2017年03月15日

染色作家 仁平幸春 甲斐凡子 両氏と春の上野でキモノ対談。なんと愉しく有意義なキモノ時間でしょうか!

四月ふくひろ新作展に向けて東京仕入れに来ました。

どんな素敵な綺物たちに出逢えるのか…いつも出発前はワクワク胸がときめきます(ノ´∀`*)

帯の花園。可憐 & エレガント

まるでカトリーヌ・ドヌーブのような…
江戸友禅の雄 大羊居の芳醇なる気品。

友禅の花園。その美しさに思わず陶酔です。

染織工房 foglia を主宰する 仁平幸春 甲斐凡子 両氏と 春の上野でキモノ対談!気さくな人柄のおふたり
上野の桜のように着物談義に花が咲く咲く(≧▽≦)

四月 ふくひろ新作展には 染織工房 foglia フォリアの新作を発表いたします。楽しみにお待ちください。

天麩羅の名店 天寿々のお料理は口福の極みでした。

帯締めの老舗 道明。上野繁華街通り抜けて夜襲!こんな時間に道明闇討ちするのは僕くらいのものだ(笑)

東京綺物紀行 素敵な綺物と素敵なキモノびと この素晴らしき出逢いに感謝感謝感謝です(*´∇`*)

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 05:06Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

春を告げる陽光 菫(すみれ) とコマドリ ~ 花愛でる腰原友禅の世界 ~

2017年03月07日

現在、草花を染めさせたら当代一だと信じております江戸友禅作家 腰原淳策 先生に図案から別注させていただいた「薄玉子地 菫(すみれ) にこまどり」がついに染め上がりました。

気品溢れる菫バイオレット。そして蘇比色(そひいろ)とも呼ばれるキャロットオレンジのこまどりがなんとも愛らしく、なおかつ菫の瑞々しさとの対比が素晴らしい。きっとこの見事な色合わせは最初から腰原先生の頭の片隅に浮かんでいたのだと思います。むら雲、蝋たたきのような紋塩瀬がなんとも上品で春の静謐さを醸し出しています。通常、菫は春の野草と一緒に描かれることが多く、このように単独で染面を飾ることはまずありません。決して華美ではない題材をよくぞここまで創りあげたと腰原先生のセンスと手技、そして花を愛でる心にただただ感服しております。
小さくとも凛々しき菫バイオレットと冬の窓辺に差し込む陽光のような眩しき春告げ鳥… またひとつ見事なふくひろ綺物が誕生しました。

#腰原淳策 #江戸友禅 #すみれ #菫 #こまどり #名古屋帯 #ふくひろ綺物 #ふくひろ  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 17:41Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

ふくひろ綺物 comming soon ~ 染織の境界線(ボーダー)を浮遊する ~

2017年02月10日

ふくひろ綺物 comming soon !
睦月から如月 東京 京都仕入れで出逢いし 秘中の珠…

気運を孕(はら)む「風」の衣 染めと織の狭間に遊ぶ

器から溢れんばかり 華やかな贅(ぜい) の滴 ~しずく~
咲き乱れる刺繍の百花 常軌を逸した「手技」の暴走

超越する境界線(ボーダー) 得体の知れぬ染織の霊峰

ふくひろ綺物 comming soon !
今春 ふくひろ綺物新作展 まで しばし待たれよ!
  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 12:06Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

本場結城紬展 【 新 arata 】 ~ 初春染織紀行 番外編 ~

2017年01月29日

博多天神 警固神社で 『本場結城展 新 arata 』が開催されました。結城紬の産地から本場の職人の方々が一堂に集い、その匠の技を見せてくださいました。

天神の初春は春の陽気 とても気持ちが良かったです。

結城紬最大の特徴はその端整な真綿糸つくりにあります。おかいこさん、五、六個でこの袋状の真綿かけがひとつ出来上がります。結城紬一反を織り上げるには繭2300~3000個が必要なのだそうです!

おかいこさんを湯に浸し絹の脂分であるセリシンをとりのぞき 絶妙な手捌きで袋真綿を作ります。

紙漉きのように綺麗な袋真綿。真綿つくりのおばさまは毎日おかいこさんに、家族や周囲のみなさんにありがとう、ありがとうと感謝しながら 真綿をすくい上げるのだそうです。なんと素敵な笑顔なのでしょう。

真綿かけ。袋真綿をたたりにかけて 手で根気よく糸を紡いでゆきます。ひねって引き出しまた撚りを戻して空気を含んだ最高の無撚り手紡糸が出来上がります。

手括りの絣。紬の王さま結城の醍醐味です。

これは大変珍しい工程 絣糸の「叩き染め」染めた絣糸を土間に叩きつけます。糸を打撃で伸縮させ染料を絣の合間に均一に浸透させるのです。精緻な絣合わせが結城紬の真骨頂。絣が飛ぶと検査が通らないのです。

びったーんっ!細かい絣合わせが必要な結城紬にはなくてはならない作業です。産地に赴いてもなかなか見ることはできない大変貴重な染織工程写真です。

結城紬といえばいにしえの原始織りである地機(じばた)。刃抒(とうじょ)と呼ばれる長く巨大な抒(ひ)が使われます。堅くて重厚強靭な刃抒で打ち込まれる織物には絶妙で最高の風合いが宿るといわれています。

地機は織りびとの腰に機のたて糸端を結わえ付け、張力を柔らかく自在に調節しながら布を織りあげてゆきます。機と人体が見事にシンクロしているのです。

手括りの絣、叩き染め、そして織りびとの絣合わせと三位一体にならなければ 結城の絣は完成しません。

織物の最高峰である結城紬の貴重な工程をみせていただきました。本当にありがとうございます(*^¬^*)
  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 15:14Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

竺仙(ちくせん) 2017 新作展 ~ 初春 京都・東京 染織紀行④ ~

2017年01月22日

なんという感激!きものカンタービレ♪の朝香沙都子さんと竺仙ゆかた新作展会場ではじめてお会いすることができました(≧▽≦)

なぜか浅草浅草寺。どうして浅草でウロウロしているのかというと竺仙ゆかた2017新作展にいちはやく潜入しようと機を窺(うかが)っていたのでした(^_^;)

まだ準備段階の竺仙会場に秘かに潜入成功<( ̄▽ ̄;)

絢爛!竺仙ゆかた最新作!東京限定柄はget ( v^-゜)♪

竺仙は浴衣ばかりではない… 江戸小紋最高峰は実は竺仙にあり!当代一の江戸小紋染め師 浅野榮一 さんとお話させていただきました。なんと光栄なる一枚。

超絶技巧 竺仙江戸小紋『伊予杢縞(いよもくじま)』
型紙:人間国宝 児玉博 江戸小紋染め師:浅野榮一
この素晴らしき手技の匠についてはまた後ほどブログアップを予定しております。

この東京新作展は竺仙最大のイベントであり最高の染織のお祭りです。著名なキモノびとが多数ご来場されております。長板中形染め師 野口和彦さんとお会いすることができました。

紅く彩られた長板中形の両面糊置き。最も原始的で最も染めることが難しい本道の本格的藍染めなのです。

朝香沙都子さんはとても気さくな女性で各地の伝統織物や原始布作家西川はるえさんの作品など楽しくお話させていただきました。とっても嬉しい!(#^.^#)

今年の竺仙はビビッドな色に挑戦しているそうです!来月のふくひろ竺仙新作展、お楽しみに((o(^∇^)o))

怒濤のように突っ走った初春 京都・東京 染織紀行!
年の始めに素晴らしきキモノびとの方々とたくさんの素敵な出逢いが実現しました。
2017年は最高のキモノ年になりそうです(*^▽^*)



  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 21:45Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

気鋭の染織工房 foglia フォリア ~ 初春 京都・東京 染織紀行③ ~

2017年01月20日

気鋭の染織工房 foglia フォリア を主宰する
染織作家 仁平幸春さんを訪ねました。

京都から東京へ 車窓からみえる見事な新春の大富士。幸先の良い縁起ものです。やはり、やはり!年の始めから素晴らしき出逢いがありました。

繊細な糸目糊置きとローケツ染めを駆使した仁平作品。『優雅なる気品』『古代染布の新たなる創成』そして『研ぎ澄まされたアート感覚』いままでにない新しき染織の世界を目の当たりにし、心震え躍ります。

染めをつかさどる仁平親方の眼差しは厳しい…

染織工房foglia の紅一点 染織作家 甲斐凡子(かいなみこ)さん。

『新しき骨董を創る』遥か古代に想いを馳せ いにしえの染布を現代に創成する仁平幸春の世界。

今春 ふくひろ新作展にて 染織アート工房 foglia フォリア との満を持してのコラボレーションも決定しました❗新たなる染織の地平へ…

初春 京都・東京 染織紀行 いよいよ次回 江戸の粋の本丸 竺仙2017新作展へ突入します(≧▽≦)

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 09:09Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

誉田屋源兵衛 新作展 寿明月 (ことぶきみょうげつ) ~ 初春 京都・東京 染織紀行② ~

2017年01月18日

御目出度い誉田屋源兵衛のお正月。

誉田屋着物屋敷は穏やかな年の始めを迎えました。

今年も誉田屋の新春のお弁当 木乃婦の京料理をいただきました。

蛤真丈 大根金箔 のしもち …初春からおめでたい(*^^*)

見目美しい料理とおもてなしも誉田屋のアートのひとつです。

誉田屋源兵衛 新作展 『 寿明月 (ことぶきみょうげつ) 』春のふくひろ新作展に向けて 新たなる綺物がやって来ることとなりました。「善きことを聴く」
なんとも縁起よき響きです。

誉田屋の夏浴衣新作 ゆかたびらもこれぞというものはふくひろ綺物としておさえております。

『 春夏冬二升五合 』商い(秋ない)ますます(升升)繁盛(半升) 今年も頑張りたいと思います。

初春 京都・東京 染織紀行 いよいよ花のお江戸へ北上です(≧▽≦)


  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 18:01Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 誉田屋源兵衛

芝崎熨斗目 栗染めの美 ~ 初春 京都・東京 染織紀行① ~

2017年01月16日

年の始めから宝物を入手し感無量 しばし見惚れる 芝崎圭一 熨斗目訪問着 栗染めの焦茶(ブラウン)

早朝の京都室町を走った、走った、息切れたΣ(×_×;)!ご存じの通り 芝崎熨斗目はその着心地、えもいわれぬ風合いで染織ファンの間で大人気、電光石火の早業でダッシュしないと入手できない稀少品なのです!

芝崎圭一先生と感激のツーショット!穏やかなお人柄の芝崎先生に心から癒されましたが、僕はドタバタ駆け込んできてハァハァ息切れてます(笑)

栗染めに藍のグラデーション。この濃淡に織浮かぶ端正な熨斗目文様。なんともたまらない趣があります。

今回の仕入れは日程の都合で京都から東京まで連続出張になりました。臨時休業でご迷惑おかけしましたが
おかげさまで新春からとても縁起良い仕入れと素晴らしいキモノびとたちとの素敵な出逢いがありました。
初春京都・東京 染織紀行 まだまだ続きます!(≧▽≦)



  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 18:56Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

博多織求評会 プレイバック part2 ~ 総本山 織屋にしむら を訪ねて ~

2016年11月17日

緋色の世界 着物女子と博多織が佇(たたず)む風景 …
着物姿で訪れる二度目の博多織 承天寺 詣で。

博多織求評会 プレイバック part 2 なのです(#^.^#)

国立博物館へ「鳥獣戯画」も観てきました❗朝から並んだのでゆっくり観賞ラッキー☆⌒(*^∇゜)v

カーキ色の博多献上はさすがのオーラを発散! この内閣総理大臣賞受賞作品は個人的に大好きでした。

博多織の若き女性作家 宮嶋美紀さん。山吹色の博多織の着尺に 深緑博多織の帯 どちらもご自分で織られたそうです!素晴らしい!

展示されていた宮嶋美紀さんの作品。現代的で新しい色の使い方です。なんとポップでガーリーな博多織なのでしょう!

紅い博多織 妖しく闇に映える… ちょっと想いを馳せる江戸川乱歩の世界

織りびとにその創りし作品を訊ねる幸せ。

博多織の総本山 織屋にしむら を訪ねました。創立百五十五周年記念展です。

大変珍しい博多献上の丸帯。博多織の生絹(すずし) 生絹とは夏の衣のこと。本邦初公開 織屋にしむら 戦前のお宝。にしむらの歴史の深さを感じます。

古典的献上柄だけではなく 現代的で斬新な色柄に挑戦し続けている にしむら織物。

佐賀県に赴いても佐賀錦の帯に出合うことはなぜか少ない。元来 佐賀錦の帯は博多織の機場で織られていたからです。そういう意味では博多織の佐賀錦は原点回帰なのです。

脇山俊明さんは今年の西部伝統工芸展で朝日新聞社賞を受賞しました。ただただ無心に創作に向かうその後ろ姿に出逢えたことに心からご縁を感じます。

若き天才博多織作家 脇山俊明 作 博多織 男帯 がふくひろ綺物屋敷へやって来る❗あ、今織ってもらってますからね、comming soon ❤乞うご期待(ノ´∀`*)

百五十五周年記念制作 両面リバーシブル男角帯。
見入れば魅入るほどに見惚れてしまう 不思議な織
不思議なアースカラー 大地の色 躍動する綾糸…
博多織の本領を今回あらためて認識しました。
ふくひろ綺物屋敷に新たなる染織進化ワールドがさらにさらに広がります。

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 06:33Comments(2)『 キモノびと 』 探訪 

キモノで散策 紅葉の承天寺 ~ 秋の博多織求評会 ~

2016年11月14日

博多織求評会が博多の承天寺で開催されました。博多織の織元が自信作をこぞって出品し、関係者 着物愛好者が集まってその年の優秀作を審査選考するのです。

博多駅からほど近いところにこんなに静かで落ち着いた空間があるなんて!なんと綺麗な枯山水の庭園でしょう。

博多織会場にターコイズ映える。

博多の真ん中とは思えない静寂。鳥の囀ずりだけが響き渡っています。

さぁて どの作品に投票しようかな?

求評会に着物女子がわんさかわんさか

異次元的なカラーリングの博多織に眼が釘付け!

承天寺のお庭で野点(のだて)の茶会。

お饅頭にも「承」天寺。此所 承天寺はお饅頭発祥の地であり、うどん発祥の地、そして何より博多織発祥の地でもあるのです。

気配りの行き届いたお点前に心癒されました。

このあと二日市の織屋にしむらを訪ねました。実際に博多織を織っている様子を見学です。

佐賀錦の手織り。

佐賀錦と唐織の絶妙なる融合。

博多織の若き天才。妥協しない創作姿勢。そのオーラを背中から感じます。

博多織の機(はた)の音。なぜかドキドキ心ときめく。

からからからから… 糸繰りの詩。

千々に広がる色の綾糸。どこか知らない異国の街の風景のような…。

着物で散策 紅葉(こうよう)の承天寺。紅葉以上に色鮮やかな博多織求評会に気分も高揚しました(#^.^#)  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 04:05Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 

【超絶技巧 綺物異聞】 ここで逢ったが百年目!~ 藤山千春 藤色パープル吉野間道 ~

2016年10月15日

着物ファンに人気の 藤色千春 さんの 吉野間道 が
ふくひろキモノ屋敷についにやって来ました!
人気がありすぎて今や配給制です(笑)
ここで逢ったが百年目!

藤山千春さんは東京 大井町で女性ばかりの創り手で営む染織工房を主宰しています。天然の糸染めは工房のお庭に自生する草木でほぼ行われています。そのカラフルでスタイリッシュな作風はとても独創的!
着物ファンならいちどは締めてみたい逸品だと言われています。

矢車附子(やしゃぶし) 楊梅(やまもも) コチニール…
見よ、この鮮やかな草木染めのグラデーションを!

三年前、大井町の工房に見学に行ったとき 藤山千春さんご本人にとても親切に説明していただいたのを懐かしく思い出しました。
超絶技巧 綺物異聞。ご本尊 誉田屋源兵衛 登場を前に
染織の極みがふくひろキモノ屋敷にずらりと顔を並べます。しのぎをけずる染織の猛者たち…。
『誉田屋源兵衛 超絶技巧』
いよいよ来週 21日(金) 初日 風雲急を告げます!


  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 18:04Comments(2)『 キモノびと 』 探訪 誉田屋源兵衛

【超絶技巧 綺物異聞】揺らめき綺羅めく不思議なさざめき ~斉藤佳代子 『風韻』~

2016年10月14日

紋織、綾織、首里花織、それらとは全く異質の風合い質感。こんな織物は今までみたことがありません…
そしてなぜか波紋のように揺らめき綺羅めく紋様 …
このしなやかで不思議な織物にひとめで魅了されてしまいました。

斉藤佳代子 作 浮織名古屋帯 『風韻』
『風韻』は風に舞う葉々をイメージされたそうです。浮織には座繰り糸を使用。甘撚の糸ゆえ光線により綺羅綺羅と輝き ふっくらとした質感で3D のように浮いて見えるのです。

斉藤佳代子さんは「民藝」の柳さんらに師事し、2012年に創作活動を開始されたそうです。それにしても僅か四年でこんなにも美しい布が織れるものでしょうか… 才能ある方に修業年数はさほど必要ないとはいわれますが… 驚きました。まさに超絶技巧です。

超絶技巧 綺物異聞。新たなる世代の創り手たちが奏でる染織の祭典。
耳を澄ますと 揺らめき綺羅めく不思議なさざめき が聴こえてきそうです。

  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 20:06Comments(0)『 キモノびと 』 探訪 誉田屋源兵衛