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まさか、つるの恩返し? 古今東西 一番珍しい織物って何?

2012年08月24日

                     

             これは キモノの世界のヒトにも ぜひお聞きしたいのです ・・・ <(-_-:)

       いままで見た 紬(つむぎ)で 一番珍しいもの って何ですか ?

 これはとても難しい質問ですねぇ、自分で振っといてなんですが・・・ そもそも伝統織物自体が貴重なものばかり・・・

 アッシ織り、南部紫根染、越後上布、結城紬、葛布、藤布、山陰の絣、烏城紬、久留米絣、芭蕉布、花織 ・・・etc

 以前 いちど所蔵品で 『 15・5ヨミ 9マルキヒトモトの大島紬 』  を見たことがあります。

 大島紬は日本の絣文化の極北であり、最も絣が細かく美しい織物です。ヨミやマルキの解説は複雑怪奇なので、

 また場を改めますが 「15.5ヨミ 9マルキヒトモト」の絣は もうほとんどオリンピック世界記録級の数字なのです。

 むかし 大島紬の織元の社長とお酒を飲んだ時 その話をすると  「魔法にかけられたんじゃないの?」

 と笑われました。それくらい不可能な数字なんですね。確かにヨミ(たて糸の数)は瞬時にはわからず、もしかしたら

 「18ヨミ」だったのかもしれません。18ヨミでもスゴイんですが・・・その大島の絣はジグソーパズルのピースのように 

 びっしりと組み込まれていて柄物というよりほとんど無地感覚に近く 神レベルに精緻な絣技巧工芸の逸品でした。

 八丈島の小さな泥の沼で染められる真っ黒な黄八丈、 黒八丈 も珍しいですね。  たてよこ真綿紬糸を使った

 モロ真綿の久米島紬 も数少ないし、透明感溢れる 白い久米島紬 ユウナ染め も稀少なのです。

 ぼくは見たことないのですが 東シナ海に浮かぶ 甑(こしき)島 に伝わる 芙蓉布 (ビーダナシ) という

 織物があるそうです。芙蓉の繊維を手織りして ピンクの芙蓉の花で染めるそうです。ひとめ見てみたいですね。

 
  さて ぼくは修業時代たったいちどだけ いままで見たことも聞いたこともない織物に 出逢ったことがあります・・・

 それは何の変哲もない無地風の紬織物でした。野趣溢れる節糸で織られた暖かみのある風合いを憶えています。

 これは何かと問うと はっきりとはわからないが どうも白鷺の羽毛を糸に織り込んでいる・・・というのですっっ!?

 「 サギぃ~? あの鳥の鷺ですかァ? 」 と思わず素っ頓狂な声を張り上げてしまいました。

 値段もとても高価だが何より滅多と織り上がって来ない珍品とのこと。鳥の羽根って一体どうやって入手するの?

 名前を尋ねると 『 アマサギ 』 らしいとのこと 「 あわゎ あまさぎ!? 」 まんまやん・・・

 そんなこんなで修業を終え家業を継ぎましたが その後『謎のアマサギ織』を見かけたことはついぞなかったのです。

  *** ところが過日 とある紬問屋さんで 「 あわゎ あまさぎ!? 」と ひょんな再会を果たすのですっ!!

     カメラは ついに なぞの紬の正体を捉えた!証拠写真はこれだっ!

 




  正式名称  『 天鷺ぜんまい織 』 あるいは 『 天鷺白鳥織 』  というのだそうです・・・

 秋田県の天鷺(あまさぎ)村に細々と伝わる特A級稀少織物。年間製織わずか数反、そりゃあ見かけんわ・・・(^□^;)

 山菜のぜんまいの綿毛や白鳥など水鳥の羽毛を手紡ぎ糸に織り込み 不思議な独特の風合いを醸し出しています。

 なぜに白鳥の羽根かというと水鳥の羽毛の撥水効果があるそうです。防水加工いらずの天然素材かい!(≧∀≦)

 過去の染織文献などにもほとんど登場したことがなく マイナー中のどマイナー です。 えっ ちょっと待って!?

 は、白鳥?サギの羽根じゃなかったっけ?どうも記憶が混濁しているようです。たしか白鷺の羽毛と聞いたような・・・

 しかし民話 「つるの恩返し」 を地でいく伝統織物が日本に本当にあったとは。。。こんな珍しい紬に出逢えたたのも

 白鳥の・・・いや 白鷺の恩返し のおかげでしょう!なぞはまだ残りますが・・・<(;=_=)>白鳥?サギ?

 

 

 

 

   
 

   

Posted by ふくひろ 若旦那 at 19:37Comments(4)呉服なぞとふしぎ

反物 くる くる 8  でっちくん 美術館 に行く の巻

2012年08月18日

 
   反物 くる くる でっちくん   今日は大番頭さんに連れられて 郊外の美術館へ やってきました。

   ちょっとした社外研修といったところです。いつもの雑用から開放されて でっちくん 心晴れ晴れ日本晴れです。

   館内には 数多くの彩り鮮やかな絵画が陳列展示されています。およそこういう世界とは無縁だった でっちくん、

   わかったようなふりをして 絵の前でわざとらしい嘆息 ちょっと気取って ひとり うなずいてますよぉ?大丈夫?

   そのとき  ぽかりっ あいたたた 。。。頭をさすって振り向くでっちくん。大番頭さんのゲンコツです。

                      「 お前 何しとんねん ? 」

          「 なっ 何って 芸術鑑賞に決まってるじゃないですかぁ? 」

          「 おまはんごときが ゲージツ なんざ 十年早いわっ !! 」

 大番頭さんのしゃがれたドラ声に感電ビリビリ~ でっちくんのチキンハートは どっきん どっきん 破裂寸前です。

     「 展覧会なんてもん、わしら呉服屋は 駆け足で見るもんや、 ちんたらしとったらあかんど? 」

 大番頭さんは でっちくんの首をぐいいと掻き抱くと しゃがれたドラ声で でっちくんの耳元にささやきました。 

 「 ええか? 一番大事なんは“ 色 ”やっ! 色の感覚を磨くんや、 色を 眼ぇに焼き付けて憶えていくんや。。。

  “ 色 ” はなかなか 記憶(おぼ)えられんからのぅ・・・  今日はその特訓にココへ連れて来たんやど・・・? 」

 「 ひえええ~ 」 眼を白黒させる でっちくん。  でっちくん 大番頭さんには “ 絶対服従 ” なのです。

 「わかったら とっとと 行って来いっ!」 あたふたとよろめく でっちくんの背中に大番頭さんのドラ声が響きます。

 「 さいごに一番好きな絵を見つけてこい、ええかぁ?一枚だけやどぉ? 」

                       破顔一笑、 ニッコリと笑う 大番頭さん ・・・ 

  「 その絵が好きやぁ~ゆう気持ち忘れんなよ。それが一番大事なんや・・・ 」

  
  “色” はなかなか記憶できません。憶えていると思っていても記憶と実際の色が違ってた!なんてことはしばしば。

  即断即決ワンアイラブ(ひとめ惚れ)・・・瞬間で即応して良い色を選んでゆくというのも非常に難しいものなのです。

  大番頭さんと でっちくんの珍妙な特訓が のちのち呉服の仕事に役に立ったかどうかは さだかではありません。

  ただ でっちくんが まだまだゆっくり絵を鑑賞する余裕など ないことだけは確かみたいですねぇ・・・ (^ー^;)

     反物 くる くる でっちくん  呉服の道は まだまだ険しいですよぉ~  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 19:02Comments(0)反物くるくる でっちくん

 字のない絵本  サンテグ=ジュペリ 星の王子さまの帯

2012年08月07日

  特殊呉服店 ふくひろ にはこんな帯もあるんです。ええっマジですかっ!?


  




                    『 サンテグ=ジュペリ 星の王子さま 』

                          塩瀬の九寸染名古屋帯です。

 




         前の柄は 星の銀河・・・  染めと刺繍の絶妙なコラボです。

      無限の宇宙空間・・・  何も無いのが潔いっ! b( v≦ )


 




     いくらな~んにもナイ宇宙でも ちょっぴりさびしいので帯締めを。。。

   王子さまの蝶ネクタイのオレンジです。おっ 星が華やいできましたよォ♪


 




 春先なら若草グリーンもキレイです。荒涼とした惑星に緑がほしいところです。

 




 バオバブの芽もしっかりカオを出してます。星の表面は天鵞絨(ビロード)。

 絹ビロードは江戸時代から織り継がれている れっきとした伝統織物です。

 




  王子さまは全身総刺繍、けむりモクモクの火山も刺繍。凝りに凝ってます。

 




 星の王子さまって いつもさみしそうなんですけど この帯の王子さまは

 どこか楽しそう ♪ だってお出かけがもォ待ちきれないでしょっ?(≧▽≦)

 

   

Posted by ふくひろ 若旦那 at 20:04Comments(4)びっくり ショーウィンドゥ