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茶断ちの荒行?

2010年10月02日

  前夜より たべものは おろか 一滴の お茶さえ口にせず 一心不乱に 彫り上げる・・・

 
 これはヒマラヤの修行僧のはなしでも、苛酷なダイエットメニューでもありません・・・
 実は江戸小紋の型紙を彫る伊勢白子の職人さんのはなしなんです。

 ご存知のように江戸小紋の柄は極小精密ミクロの世界・・・全身全霊をかけて一気呵成に彫り上げないと
 コンマミリ単位の狂いが生じてしまうんだそうです。

 尿意をもよおしてひとたび席でも立とうものなら
 集中力が途切れてその型紙はまた最初から彫りなおさなければならない・・・凄い職人魂です・・・

 とくに縞ものはことのほか繊細・・・「大名筋」「万筋」「毛万筋」「二ツ割り」・・だんだんと細くなります。
 もっとも細い二ツ割りは髪の毛を二ツに割ったくらいの極細・・・一寸(3.8センチ)の間に
 三十一本の縞が入ってます。

 みていると眼がクラクラしてきます。人間技を超えてまさに神業ですね。
 それにしても江戸小紋の極縞は粋だとかいなせだとかの枠を突き抜けて本当に美しい。

 遠目でながめていると白黒の二色しか使ってないはずなのに複雑な薄墨色に刻々と変化するんです。
 細かく織られた織物のように裁ち目や動きの角度でさまざまな質感や表情を醸しだす・・・ 
 染めや織りを超えた不思議な布ですね。

 2003年に縞ものの型紙に欠かせない糸入れ職人であり人間国宝の城ノ口みゑさんが亡くなられました。
 消耗品である型紙が老朽して使えなくなるとき 極縞が静かに姿を消すときなのかもしれません。  

Posted by ふくひろ 若旦那 at 09:35Comments(0)呉服なぞとふしぎ